振り付けを覚えるコツ

前回、『振り付けを覚えてからが大事』

と書きましたが、そもそもの振り付けがなかなか覚えられない。。。という方もおられると思うので、振り付けを覚えるコツについて書いてみますね!

 

振りを覚えるのは、内容にもよりますが、なかなか難しいもの。

 

例えば、フラメンコスクールに通っていると、だいたい週に1回のレッスンになるかと思います。

ですが、そのくらいの練習量だと、振り付けを覚えるのはなかなか困難なのです。

 

一方、プロのダンサーやアイドルがどのくらいで振りを覚えるかといえば約3時間。

本当に熟練した人になると、このくらいまで振り覚えは良くなります。

 

人はものを忘れていく生き物。

 

では、どのくらいのスピードで記憶は薄れていくのでしょうか?

エビングハウスの忘却曲線を参考にすると、

覚えたものを忘れる時間は、

 

  • 20分後に42%
  • 1日後に67%
  • 1月後に79%
  •  

20分後に、42%です!

人ってものすごいスピードで忘れていく生き物なんです。

だから『とにかく反復練習が大切』と言われるんですね。

英語もそうですし、昨年受験したワインエキスパートもそうです。

 

 

「振り付けを覚えたいです!どうすれば?」

と生徒さんに聞かれたら、

「10分で良いから必ずレッスンをした次の日の朝に、振り付けを1通り踊ること!」

とまずお伝えしています。

 

学校に行く前に、仕事に行く前に、少しでも練習をしておくと、覚えは格段に違ってくるんです。

 

そして記憶は復習をするたびに定着し、忘れづらくなっていきます。

 

おススメの復習タイミングはこんな感じ。

 

  1. レッスン中にイメージをつかむ。全体の流れを覚える。
  2. 次の日の朝、必ず1回通す。
  3. 2日以内に1回通す。
  4. 週に1度は反復練習をする。
  5.  

人より覚えが悪いな…と感じる人は、レッスンから帰った夜も、もう一度だけ振りを一通り反復練習しましょう。

「一回通す」と書いてある日は、反復練習でなくて構いません。

一回通せればOKです!

 

スピードはゆっくりでも大丈夫。

 

とにかく、教わった振り付けが一回ちゃんと途切れず思い出せることが大切です。

 

もう一度言いますがスピードは関係ありません。

できなければスピードを落としましょう!

1度通せればOKです。

脳の記憶に思い出させること。

それが大切なんですね。

 

一方、週に一度の反復練習は、動きを体に刷り込ませるために行います。

脳が記憶を呼び起こす練習と、記憶通りに正確に体を動かす練習を分けると、効率よく振り付けを覚えられるというわけです。

騙されたと思って、一度実践してみてくださいね。

 

それから、いつも同じところでつまずいてしまう人には、いくつかのパターンがあります。

 

  • 次の振り付けが思い出せない
  • そもそも振り付けが間違っているせいでタイミングが遅れている
  • 予備動作の時間を作っていない
  • 視界が邪魔をしているかも?
  •  

次の振り付けが思い出せない

 

次の振り付けが思い出せない場合は、振り付けを細かく区切り過ぎていることがあります。

1コンパス(ここではタンゴ系で8拍としましょう)×8の振り付けがあったとして、これを1コンパスごとに区切れば、8コを覚えなければいけないことになります。

 

振り付けの区切りを広くして、つまずくパートまでを一区切りにして覚えてしまいましょう。

 

そんなに長く覚えられないよ…という方は、後半の、「振り付けを覚えるコツ」をヒントにしてみてください。

 

そもそも振り付けが間違っているせいでタイミングが遅れている

 

タイミングが遅れてしまう場合は、そもそも振り付けに入るタイミングが間違っている、余計な動作が入ってしまっている場合があります。

その場合、自分ではできているつもりになっていることが多く、なぜ遅れるのか、ただ単に自分が運動神経が悪いからなのか…なんて思いがち。

 

動画に撮って自分の姿を確認してみましょう。

動画に撮影して自分の姿を確認することは、もともと踊りのクオリティを高めるうえでとても大切なことなのですが、今回大事なのは正しい動きを覚えるのではなく、他の人との違うところを見つけること。

 

特に、どのタイミングで人とずれているのかをよく見て研究してください。どうしてもできない振り付けは、その振りが難しいからではなく、実は一つ前の振りが間違っているのかも。

 

あれ、右足を出すタイミングが他の人と違う…?

ブラソを腰にもっていくタイミングが自分だけ遅い…?

など

細かいところから、ボタンのかけ間違いのように振りがずれてしまうのはよくあること。

ズレ始めの、最初の原因を特定しましょう。

 

予備動作の時間を作っていない

 

人間は、コンピューターと違って、あるポーズからあるポーズへ一瞬で切り替わることはできません。

その2つの動きをつなぐ動作がかならずあるんですね。

これを予備動作と言いますが、ダンスではこの予備動作が恐ろしく重要です。

踊るのが上手な人は、この予備動作が上手な人といっても過言ではないでしょう。

私はこの部分を「つなぎの部分」とレッスン内では言っています。

 

ボクシングでもパンチをする前は、腕を引いて振りかぶりますよね?

アレが、フラメンコではパソ(ステップ)一つ一つ、すべての動きにあるのです。

なので、いきなり思い描いたポーズを、音に合わせてバンっと決めることは不可能。

必ず、予備動作をする分動き出しを早くしなければいけないのです。

 

振り付けの区切りの最後には、次の振り付けへの予備動作までを一区切りとして覚えましょう。

最初は慣れないかもしれませんが、意識することで少しずつ次の振り付けにスムーズに移行することができるようになっていきます。

次の振り付けに入る準備までが一区切りです。

 

視界が邪魔をしているかも?

 

振り付けで陥りやすい罠の一つに『視界』というものがあります。

踊るときに下を向きながら踊ってしまうダンサーは結構多いのですが、無意識に自分の体の動きを視野で確認していたりするんです。

 

それに慣れてしまうと、自分の足も目で確認しながらでないと怖くて踊れなくなってしまう。

みんなで踊っているとその振り付けが無意識に視野に入るので、それを頼りに踊ってしまっていることもあります。

 

視界というのは結構影響が大きくて、練習する場所や向きを変えただけでも、振り付けやフォーメーションが大きくブレることも多いんです。

これに大きく頷く生徒さんは多いと思います(笑)

レッスン中に時々するので( ´艸`)

 

振り付けで気を付けたいのは、横を向いたり後ろを向いたりするときに、視界が変わるんだ!

というイメージを持つこと。

 

これは本当に無意識に遅れてしまう原因になっている場合が多く、教える側の人でも、なぜ振りが遅れるのか気づけない部分の一つです。

 

視界のイメージまで、振り付けに入れてしまいましょう。

この振りの時は、こういう視界になる!とイメージします。

むしろ、視界は、ワンテンポ早く意識することで、振りに入るスピードが大きく改善することはあります。

最初は怖いかもしれませんが、失敗してもいいんです。

どんどん失敗しましょう!

 

思いっきり踊ることが大事です。

大勢の心にぼんやりと残るより、誰か1人のこころに突き刺さるフラメンコができればいい。

それは振り付けよりも、もっと心、感情、一生懸命さからにじみ出てくる表情だったりするものです。

 

振り付けを効率よく覚えるコツ

 

まずは全体の振り付けをぼんやりと覚える

 

大切なのは、予備動作であることをお話ししました。

ですが、振り付けを細かく区切って、その一つ一つを習得しようとすると、なかなかそこまで気が回りません。

なので初めは、ざっくりとした流れをイメージします。

足は間違えないようにしましょう。

そして、それらの振り付けを、予備動作込みで覚えます。

 

重要なのは、間違えても途中で振りをやめないこと。

間違えても途中から元の振りに戻ってこれること。

リカバリーと言いますが、これも大切な要素だからです。

一度振りが飛ぶとなかなか戻ってこれない人は、この部分を特に意識しましょう。

 

また、曲の特徴的な部分と振り付けを紐づけるのも、大切な方法の一つです。

 

空いた時間にイメトレを

 

頭で描けないことは、実現することは難しいです。

 

「体が覚えている」っていう感覚はありますが、それはもうダンスが日常っていうくらいでないとなかなか難しいものです。

周りに同じ振り付けを踊っている人がいて、その人を見ながら踊れる状況であれば踊れるかもしれませんが、それでは振り付けを覚えたことにはなりません。

 

一人で踊れて初めて振り付けを覚えられたということ。そのステップの一番最初は、頭の中で振り付けを完結できること。そして次にそれを具現化することが正しい流れになります。

 

空いた時間に課題の曲を聴きまくり、踊れている自分をイメージしましょう。

 

もちろん、これだけでは踊れるようにはなりません。

実際に体を動かしてみて、体が動いてくれるようになるまでが、振りを覚える過程で最もツラいところです。

これは、反復練習しかありません。

ですが、頭の中で踊れるようになることが第一ステップ。

これは時間、場所を選ばずできますから、振りが入ったら必ず第一にやらなくてはいけないことです。

 

 

口に出して覚える

 

これは、すでに技術のあるダンサーや講師もよく使う方法。

自分自身が覚えるとき、もしくは、人に教えるときにも便利です。

 

ダンスを覚えるのは難しくても、カラオケとか、好きな音楽なら覚えられますよね。

まずは言葉で覚えてみるということ。

振り付けに、イメージに合った言葉をつけて覚えます。

 

レッスン中だと、「この、次〇〇します~!」の掛け声を先生が声に出して言ってくれますが、自分でやるときは、ぶつぶつつぶやきながら練習してみてください。

 

さて、ここまで長々と書いてきましたが、まとめに入りましょう☺

 

基本動作を正しい姿勢で行えることが大切!

といっても、振りについていけないと楽しくないですよね。

 

今回の内容を全部やろうと思っても難しいはず。

2つくらい、ピンときたものをピックアップして実践してみましょう!

今回、振りを覚えるヒントはすべて詰め込んだつもりです。

 

その2つがダメだったら、他の方法を試してみる。

大丈夫、できるようになりますよ!

努力は必要ですが、あせらずに。

最初の壁は確かに高く見えますが、一度超えてしまえば、踊ることってとても楽しくなってきます。

 

振り付けは、徐々に「振り入れ」へと変わっていきます。

振り入れ、つまり、体に入っていく。

振りが体に入ると、踊りに自分の表現をプラスできるようになっていくんです

これ、前回書いた内容です。

 

これがダンスの醍醐味!

ここまでは、ぜひ頑張ってみてほしい…

みんな最初は同じところで悩んできているのです。

だから本気でやれば、きっとたどり着けるはず!

 

好きなら諦めないで。

踊り切った、爽快感と達成感は、何物にも代えがたいものですよ☺

 

 

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